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。。最近の台湾の特筆すべきことを2件に絞ってご報告し、近況報告に変えさせていただきます。
新幹線の開通と来年の選挙に向っての政治情勢の2つです。それにもう1件、台湾でのことではあ
りません。日本でのことですが、京都の「光華寮」の所有権確認の裁判の結果についてです。
。。先ず、政治情勢ですが、ご承知の通り台湾では中国との関係で大きく分けて2つの立場に分か
れて抗争が続いています。
。。1つは、台湾は自立して行くべきだとの独立派(現政権の民進党や李登輝さんの台湾団結連盟
がこれです)ともう1つは行く行くは中国と統一すべきだと言う統一派の2つです。
。。現在の総統(大統領)陳水扁は2004年に2度目の総統に僅差で選出されましたが、いかんせん民
進党が最大政党であるにも拘らず、団結連盟と合わせた独立派が過半数に満たないため、国会運営
は厳しいものがあり、2000年の政権担当以来ずっと重要法案が思う通り通過しない状況にあります。
その結果、陳水扁与党の政権運営のまずさが極立っています。
。。加えて統一派の国民党主席に馬英九氏が就任し次の総統候補者としての方向が明確になったこ
とに加え、パフォーマンスのうまい彼の性格から国民の人気が高まり、08年の総統選挙は国民党の
勝利との見方が大勢を占めるに至りました。
。。昨年の初め、次期総統について台湾全体の60%程度は馬英九が勝つとの見方が支配的でした。
。。ところが最近はちょっと様相が変り始めています。
。。第1は国会運営で政権党の提案(法案)には野党がことごとく反対して来たことが国家運営に悪影
響があることに国民がだんだん気づいて来たからです。
。。そもそも700億元強にも及ぶアメリカからの武器購入を考えたのは国民党政権であったにも拘らず、
野党になったら「中国との経済関係は深くなった今日、軍備は必要なものだけで良い。節約や吟味が
足りない」と80数国にわたって国会審議の都度、否決し続け挙げくの果てはアメリカ政府から「自分の
国を自分で守らないなら、アメリカは台湾を支援しない」とまで言わせています。
。。400億元まで縮小して提案 −審議を繰り返してますが、今だに国会の承認は得られず、政権運営
のまずさが目立っているのですが、ここに来て逆に反対ばかりしていた野党への懐疑心が次第に出て
来ました。反対ばかりしいて台湾は一体どうなるのか?とういう考え方が台湾意識の高まりと相まって
少しずつ拡がって来ています。
。。第2は馬英九氏自身の問題で清廉で通っていた人が国家から支給される特別資金(公費)を何年に
わたって私的財産に振込んでいたことが発覚し、最近証拠が確定したとして検察から起訴されるという
事態が起こりました。その結果彼は国民党主席を辞任しました。
。。「え?」と言う思いをした国民、特に女性が多かったのでしょうが、彼は元来顔立ちが良いこととパフォー
マンスのうまさで国民を引きつけていた面が強く、台北市長時代、これと言った特別な先見性のある事
業や企画を打ち出していません。
。。現在過去と比べ、台北市内の車がこんなに増えたのに交通状況が良くなったのも、空気が良くなっ
たのも過去に打った手が効を奏しているもので彼はその結果を享受したにすぎないのです。
。。8年間一体何をしたのか?次の5-10年への手が何ら打たれていません。更に加えて国民党内の王
金平国会議長(立法院長)との党内次期総統候補選びでの対立が極立って来ており、馬英九氏の立場
はかつての様な優位性がなくなっています。
。。第3は現政権が台湾自立への道を次第に明確に打ち出していることです。陳総統はこれまで全民
政を目ざし、国民の全面支持を得ようとして、中道を求める政権運営を進めて来ましたが、ことごとく失
敗して来ました。その結果、最近は独立色を強めた施策を打ち出し始めました。特に正名運動と言うの
がこれで、「中華」と名の付く国営企業や団体がその名称を「台湾」に変えていることです。手始めは昨
年9月から中正国際空港が台湾桃園国際空港に変り、その後本年初から中国鋼鉄が台湾鋼鉄に、中
国石油が台湾中油に変り、同時に国軍キャンプ内の200ヶ所に及ぶ蒋介石像を撤去しました。また2月
には中華郵政が台湾郵政に変わりました。単に名前が変るという単純なことがらですが、国民が日常接
触するこれら団体名に「台湾」がついているのですから、無意識のうちに台湾意識が浸透して行きます。
。。更に従来毎年1回国連に対し申請を続けては、中国の反対で拒否されて来た国連加盟についても、
従来の中華民国の名による申請をやめ、「台湾」として申請しようとの動きが与党国会議員の間で出て
来ています。これは台湾国内にその意識が増大する効果があるに止まらず、国際的にも台湾自身の国
連加盟申請に対する認識が高まることになるのではないでしょうか?
。。次に予定されるのは中華航空や在外公館の名称変更が考えられています。日本にある「台北経済
文化代表処」が近い将来「台湾経済文化代表処」となるでしょう。
。。以上概略3つの動きから来年3月の総統選挙に向けた政情は混とんとしてはいるものの一時の様な
統一派勝利が大勢であった流れは次第に弱まりつつあると見ることができるのです。
。。この総統選挙で独立派が勝つか統一派が勝つかは冒頭申し上げた様に中国との関係の深さに関る
ことであり、言い換えれば台湾がその依存関係を中国に求めるか日本に求めるかの違いに直結すること
になるわけです。そう言う意味でも日本としても日本人としても台湾政情に注意や関心を十二分に払う必
要があると言うものです。
。。私自身は最近の台湾における台湾意識の高まりを見ると、現状はまだ統一派有利との見方が大勢
ですが、総統選挙への流れは独立派に向っていると判断しています。ただ仮に統一派が勝ったとしても、
その後の政権運営が台湾意識の高まりを抑えることはできないと思います。
。。言うなれば、1988年に李登輝さんが台湾人初の総統になったことと、その後2000年に第2回民選選挙
で台湾政党初の陳水扁が選出されたこの時点で、歴史の流れが転換したもので、多少の紆余曲折はあっ
てもこの民主化を変えることは出来ないと考えるべきです。
。。さて続いて台湾高鉄即ち新幹線のご報告です。
。。本年1月1日に陳水扁総統の列席を得て、日本の新幹線技術初の海外移転が開通式を迎え、5日から
正式開通いたしました。いろいろ紆余曲折があり、当初の予定より約1年2ヶ月遅れましたが、開通にこぎつ
けたことは在台日本人としても喜ばしい限りです。
。。1月5日から開通したのは台北からではなく、約5キロ離れた板橋から高雄の左営までの340キロです
(台北-左営間は345キロ)。途中台中のみにとまるひかり型と途中6つの各駅に止まるこだま型の2種類が
あり、台北ー高雄間をひかり型では1時間半、こだま型では2時間で結びます。航空機が50分であるのと
比べ多少時間がかかりますが、航空機の場合、余裕の時間を見て空港い行かねばならないとか、新幹線
では都心へのアクセスが便利であるかを考慮しますと、新幹線の方が便利と言う事になるでしょう。その影
響で国内航空各社はすでに2〜30%の減便を始めました。台北からの全線開通は3月2日からです。
。。主な区間の料金は次の通りです。
。。台北−高雄(左営) 1,490元(約5,320円)、台北−台中
700元(約2,500円)
。。台北−台南 1,350元(約4,820円)、台中−高雄
790元(約2,820円)
。。2つのIT科学園区を結び新竹−台南間は1,060元(約3,780円)
。。日本の半分くらいではないでしょうか?
。。チケットはまだ駅でのみの販売で、まだ少し不便ですが上々の売れ行きです。
。。チケット販売の初期に、発券システムがうまく作動しなかったため、1月末までは半額としたことも有り、
殆どが満席状況でした。
。。早速私も乗車しなければと台南行きの出張に2時間行列に並んで切符を購入しました。が往きは取れず
航空機。帰りは取れて新幹線初乗車となりました。
。。1月20日(土)のことです。前日の仕事が夜遅くなることが分っていましたので、翌日の土曜休日の午前10
時頃の列車に乗りました。ホームはやはり新しいだけにきれいですし、設備にもお金をかけていてすばらしい
駅です。日本の各駅よりも空間にゆとりがあります。但しホームには一切売店がありません。
。。ホームで待つこと20分。列車が入ってきました。その頃には人数も増えホームには大勢の乗車客が待っ
ていましたが、列車が入ってくると「お−」と言う小さなどよめきが起こりました。初めて見る新幹線に乗客も興
奮していたようです。かく言う私も少々興奮を抑えきれませんでした。
。。列車は静かに定刻に発車しましたが、だんだん速度を上げ、270〜80キロのトップスピードの頃には今ま
での特急列車では見られないほどの速さで景色が後方に飛んでゆきます。間もなく社内のスピード表示が最
高速度300キロを表示していました。気分も落ち着いたところで社内販売のお嬢さんがワゴンを引いてやって
きましたが、日本と違って掛け声はありません。静かにワゴンを押してくるだけなので、気が付かなければやり
過ごしてしまいます。早速試しに「ビールはありますか?」と聞いてみましたら、「まだ販売していません」とのこ
とでしたが、おそらく将来とも車内でのビール販売はやらないでしょう。在来線でも販売していません。お酒を飲
むと騒がしくなると言うのが一般的な考え方ですから。台湾では比較的お酒飲みをうとんずる傾向があります。
お弁当も売っていませんでしたが、在来線より乗車時間が短いからではないでしょうか?
。。その日の列車は各駅停車でしたが、あっと言う間に板橋に到着しました。
。。台湾の時代が一つ変ったな、との実感が湧いてきました。この新幹線が台湾社会に与える影響は大きいも
のがあるでしょう。時間を守る習慣や日帰り出張の増加、高速道路利用法の変化と交通事情の改善等につな
がるに違いありません。
。。近いうちにどうぞ、台湾新幹線に乗りにご来台ください。
。。もう1件は京都の台湾人学生の為の宿舎「光華寮」の所有権確定を求めて台湾政府(正式には中華民国政府
名での訴)が訴えていた裁判の最高裁判決が出ました。この寮は元来1952年に中華民国政府が購入したもので、
これははっきりしているのですが、当時の中華民国は中国全土を代表すると言っていましたので、その寮には台
湾人のみならず中国人も居住していたのですが、そのうちに中国人たちだけになり、またややこしいことに、72年
には国連で中華人民共和国が中国を代表する国家と認められ、同時に中華民国が脱退してしまうと言う事態とな
り、その結果、光華寮に住む住人達が元来中国人のものだから我々はここに住み着く権利がある、と言い出した
わけです。京都地裁、大阪高裁は2度にわたり、中華民国政府の主張を受け入れ中華民国政府即ち台湾政府の
所有権を認めたのですが、20年ぶりに開いた最高裁の今回の判決は「中華民国政府には訴権利がない」「現在訴
権利を継承しているのは中華人民共和国である」と判断し、京都地裁にやり直しを命じたものです。これを受け、マ
スコミ及び台湾政府も同じように「台湾の敗訴」「台湾、訴権喪失」などと報道または、声明を出し遺憾の意を表しま
した。皆様の多くも、台湾がまけたと思っておられる方が多いのではないでしょうか?
。。ところがこの判決文を読んでみると台湾は「中国を代表する中華民国政府」として訴を起こしていたわけで従っ
て、今はその立場を継承する訴主体は中華人民共和国になっている、と言っているのです。そもそも中国を代表す
る中華民国と言っていた訴主体が今はそうではないわけで、今回の訴は訴権者が違う、と言っているのです。
。。また同時に「本物件が他の第3者の権利主体に帰属するかどうかは別として」と言う注釈つきで「中国を代表する
訴主体は台湾ではない」と言っているのです。台湾を代表する台湾政フが新たに訴することをだめだと言っているわ
けではないのです。権利証も領収書も持っており、当時「中華民国「」と言う名前で訴した台湾地域を代表する別国家
である「台湾」が新たに訴することを否定するものではないのです。
。。従って今でも台湾が中国を代表する国家であると主張している人にとっては誠に残念な判決ですが、台湾そのも
のが1国家としての道が開けたと見るべきで、何ら落胆することはない、と言うことです。
。。この判決が示訴するところは、台湾が国際的に活動してゆくには論理的にこの方法しかない、と言うことでしょう。
今まであらゆるところで中華民国(即ち中国を代表するかのような国)として活動してきた台湾が、台湾そのものとして
活動することによって国際的に認められる可能性があると言うべきでしょう。いち早く台湾として訴の出直しを始めるべ
きです。
。。さて、最後に私ごとですが、最近台湾企業幹部を1人1人個別指導する仕事が増えています。計画のつくり方に具
体性実効性を持たせ仕事のレベルを挙げるにはどうすれば良いか?仕事のレベルを上げるにはどうするか?につい
て1人約1時間かけて指導します。
。。大変労力と頭を使う仕事で準備時間もかかりますが、大変やりがいがあります。最もその会社の経営トップの熱心
な支援が不可欠ですが、結果がついてくるという実情をみるにつけ、年をとるのも忘れまだ数年はやり続けたいと考え
ています。
。。では、また変ったことがあったらご報告いたします。
。。この
。。最近の台湾の特筆すべきことを2件に絞ってご報告し、近況報告に変えさせていただきます。
。。1つは、台湾は自立して行くべきだとの独立派(現政権の民進党や李登輝さんの台湾団結連盟
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